自選短歌50

先日、私に短歌を教えてくれた旧友と会う機会がありました。そこで改めて整理してみると、おそらく高校2年生の頃に私は短歌に触れ合ったらしいです。その頃に一首でも詠んだのかはもう覚えていないし当時のtwitterアカウントは既に爆破済みなので確認のしようもないのですが、彼は自分の詠んだ短歌をちゃんと記録しているらしく、それは大事なことだと思ったため私もとりあえずデータの現存する700首あまりをEvernoteにまとめてみました。うたよみんにある初めての短歌は3年前と表示されていてそれが確認できる最も古いものですが、それより前にも作っていた気はします。でも短歌歴のわりに・・・と思われるのも恥ずかしいし、少しでも努力をしたのはうたの日に投稿するようになってからなので、短歌歴は実質1年ということでどうかお願いします。以下はその中からいくつか自選したものです。

 

雨音がするけど僕は部屋にいるのでシュレーディンガーの雨です

神のいるいないはわかりかねますがいても好きにはなれないでしょう

秋だから寂しいわけじゃないきっと寂しい人に秋が来ただけ

可でもなく不可でもない答えとして「スピッツです」を持ち歩いてる

アンチ日能研スタイル 大丈夫、四角いなりに生きてけばいい

台風よ 偏西風にあおられて夢諦めるときの涙よ

雨傘を持たぬ私は濡れながら虹の話を聞かされている

良薬は苦いらしいし恐らくは良薬でない君の口づけ

リュックから動物園の半券と乾いちまったウエットティッシュ

どこまでも続く迷路のような冬「鬱」の十八画目のあたり

ダイソーの糸で作ったミサンガが彼を100円分振り向かす

鐘の音は聞こえてますか。一〇八の中に私も含まれますか。

(さんのいち)靴音だけが(さんのさん)鳴ってる廊下(さんのご)ついた

ハワユーにアイムオーケーする国で気付けば失くしかけてた本音

秋雨は街の温度を冷ましゆき自販機だけに色のある道

時速300Km(キロ)の鉄塊がいるわりに長閑な景色ではある

大人 [名] - 心の画用紙に何も描くスペースが無い人のこと。

二時間後今更思うふざけんな。ふざけんなって言えばよかった

太陽が再び昇るまで街を任されたかのようにひとりだ

バファリンのやさしさの方だけ集め何の役にも立たない薬

城跡の公園でした告白は3R(スリーアール)のどれですか、春

永遠に二日目だけを繰り返し三日坊主になれないでいる

地球儀にあるはずもないあなたへの言葉探して見つけるソ連

卓上のUSB扇風機の諦めましたみたいな微風

恋人の化石を展示するときの肋骨あたりに書くメッセージ

 

コメディ編

フィクション!とくしゃみをすれば実在の人物でなくなれる気がして

ヘイ彼女!君可愛いね!ところでさ、俺の希望になってくれない?

行きたくもないとこ行きの快速にダッシュで乗れば行きたいみたい

エスキモー」みたいな言葉を探す会 明け方「裏起毛」で決着

「この曲のベースラインが…」まで聞いてメニュー眺めていたサイゼリヤ

餅 [名詞] 糯米を蒸しついたもの。殺傷能力に長けている。

初めての街を歩けば歯科医院 少し歩けばまた歯科医院

プレミアムロールケーキのプレミアム部分を食べてプレミアム俺

寂しさを抱えた夜の帰り道コンビニ明るくて寄る。蛾かよ。

ヒント③:ドライカレーのレーズンの気持ちになって考えてみよう!

「光あれ」みたいなノリで「二人あれ」とか言ってくれあの子とふたり

逆にだよ、逆に「マンホール」のどこが下ネタじゃないって言うんだよ!!!

つまらないなんて言うから慌ててさ鞄から鳩出してみたけど

かっぱ寿司かと思ったらマッハ寿司だったわ(音速で廻る海老)

織姫が見当たらないので音姫で妥協している3Fトイレ

(注)おもちゃのつかない全商品はアンハッピーセットとなります

魔法少女を目指してる者ですが少女の部分に躓いてます

元気出ました励ましに君がした影絵の犬がしゃくれてたから

 

デジタル編

人生に連続ログインボーナスがあるなら8030日目

刻まれたヒエログリフの見た空をOK,Google.君に見せたい

今日もまた毒にも薬にもならぬ歌を詠って2,3のいいね

親戚と尾崎豊とキリストをフォルダ「故人」に振り分けている

二十年アップデートがないままでVer.1.0のメンタル

#ff4500 夏のあの夕焼けの色を見つめる

寝静まるタイムラインがさっきから同じつぶやきばっかり写す

 

 

自選と言っても明日の自分は違う歌を選ぶ気もしますが、一応形にしておくことに意味はあるのかなと考えています。こいつの歌、暗いかウケを狙うか極端ですね。自由律俳句好きそう。

ちなみに現存する最古の短歌は、

愛と勇気がなんなのか知りたくてアンパンマンと友達になる

でした。ここから全ては始まった…。

短歌を続けられているのはひとえに読んでくださるみなさまのおかげです。引き続き頑張って詠んでいこうと思います。これからもどうぞよしなにお願いいたします。ありがとうございました!